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FinOpsの第一歩。AWSの月次コストレポートを自動化する: Biz x Dev ラウンドテーブル

2024-06-24
柴田 直人
柴田 直人
共同創業者 CEO
坂田 駿介
坂田 駿介
コーポレートマネージャー

Biz x Dev ラウンドテーブルの連載では、データにまつわるお悩みやトレンドトピックを、エンジニアとビジネス職の対談の形式でお届けします。

本日の参加者

坂田 駿介 - コーポレートマネージャー @Morph

Morphのコーポレートマネージャー。財務や総務を統括。

柴田 直人 - CEO/バックエンドエンジニア @Morph

当社CEOですが、Morphではリードバックエンドエンジニアも兼任。

動画

AWSのコスト最適化を継続的に実行したい

坂田:

今日の相談なんですが、クラウドリソースのコスト最適化についての相談を持ってきました。Morphでは主にAWSを使っているのですが、為替の変動などの要因もあり、毎月のコストの変動があります。

AWSの利用明細を毎月確認しているのですが、私はエンジニアではないので、コストの増加が激しいものに関してはエンジニアの方に確認しています。

柴田:

そうですよね。開発チームとしても、AWSのサービスごとに担当者が違うという状況があります。コストの増減の理由やそれが適切な増減なのかという判断は、個別に担当者に確認してもらうということになってしまうと思います。

坂田:

毎月エンジニアに確認するのもコミュニケーションのコストがありますし、財務経理部門の方で細かいところまで把握できてるとは言えません。

理想としては、継続的にコスト状況をしっかりと理解できる状態を作りたいと思っています。

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ファイナンス + DevOps = FinOps

坂田:

そういった課題を感じながらリサーチをしている中で、FinOpsというアプローチを知りました。開発部門を上手に巻き込んでコスト管理をすることで、理想的なオペレーション体制を作れるのではないかと感じています。

柴田:

なるほどですね。たしかに、しっかりとコスト管理をやろうと思うと専任の担当者を設けてマンパワーで解決しがちですよね。そうなると結局コストが増えていくという…

坂田:

コスト管理のためにコストがかかってしまうという状態ですね

柴田:

売り上げに直結しているリソースについては、そのコストの是非は理解しやすいと思うのですが、クラウドリソースのように開発のために用意されているものは開発チームも巻き込んで最適化していかないといけないですよね。

AWSの利用明細を蓄積、AIによるレポート作成機能で増減を説明させる

坂田:

私の方で、まずはワンショットのレポートを構築してみました。先月までのAWSの利用明細のCSVをMorphにインポートして、事前集計とデータ可視化、レポート作成をやってもらいました。

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作成自体は非常に簡単でした。また、コストの増減を認識して詳細レポートを作成してくれるので、ただチャートにするよりも便利だと思いました。

この分析の実行を自動化して、その結果を担当エンジニアに配布できれば理想的だと思います。

柴田:

レポートが作成されるところがAWSのダッシュボードとは違う点だと思うのですが、作成されたレポートの内容は思い描いていた通りですか?

坂田:

そうですね、やはりダッシュボードや利用明細だと、一つ一つの指標が何を意味するのかを理解するのに時間がかかります。レポート化されることで内容が分かりやすくなります。

また、過去のデータと比較して説明してくれたり、プロンプトによってレポート内容をカスタマイズできる点がいいところだと思います。

レポートが作成されたら、担当エンジニアにメールで配布する

柴田:

分かりました。AWSのコストエクスプローラーはAPIもあるみたいなので、明細取得に関しては自動化はできそうですね。今回作ってもらったフローの実行スケジュールを組めば、レポート作成まで自動化できると思います。

改善のアイデアとして、AWSのリソースのカテゴリごとにカスタマイズしたレポートを作成して担当エンジニアに配布するとスムーズになるのかなと思います。

おそらくプロンプトで指定すれば、状況報告だけでなくアクションの提案もしてくれるのではないかと思います。

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AWSのサービス特徴を踏まえたレポート内容

坂田:

私が構築している中で、生成AIならではだなと感じたのが、AWSのサービスの特徴を踏まえて報告してくれている点でした。

「このサービスはこういう特徴を備えているので、こういった要因でコストが増えているかもしれません」といった内容が出力されました。

柴田:

おー、たしかに。

今のバージョンではGPT-4oを使ってるのですが、想像以上にいろんなことを知っていますよね。これであれば、アクションの提案も期待できますね。

もう少しいろいろ試してみて、自動化の構築に進んでいきましょうか。

坂田:

ありがとうございました。オペレーションのイメージもだいぶつかめました。

柴田:

ありがとうございました。