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SHIBUYA CITY FC 今季前半戦好調の要因をデータから探る!選手の感覚はデータにも表れているのか:スポーツにおけるデータ活用 ④

2024-06-28
大道 元貴
大道 元貴
セールスデベロッパー

スポーツにおけるデータ活用の連載第4回目の今回は、弊社がオフィシャルパートナーを務める SHIBUYA CITY FC の選手とスタッフの方とのラウンドテーブルを行います。

2023 シーズンと 2024 シーズンのトラッキングデータの比較を行い、今シーズン好調の要因をデータから探ります。

本日の参加者

大道 元貴 - セールスデベロッパー @Morph

Morph のセールスデベロッパー。データ活用におけるスポーツの分野を担当。

岩沼 俊介 - サッカープレイヤー @SHIBUYA CITY FC

SHIBUYA CITY FC の選手。Morph ではバックオフィスを担当。

畑間 直英 - コンテンツダイレクター @SHIBUYA CITY FC

SHIBUYA CITY FC のコンテンツダイレクター。ファン獲得のための様々なコンテンツを制作。

感覚をデータで可視化

大道:

まずは全国社会人サッカー選手権大会本戦出場おめでとうございます!

今年の春から何度か試合を見に行かせていただいている中で、新加入選手が段々フィットしてきて肌感覚として失点数は去年と同じくらい少なく、得点数は去年よりも増えたなという気がしています。

まずは、この肌感覚として持っているものをデータによって明らかにしていこうと思います。

Morph 1.0 左が 1 試合の平均失点数、右が 1 試合の平均得点数

大道:

元々失点数は少ないのですが、今年はより少なく 1 試合平均 0.5 点でした。得点数に関しては、1 試合平均 3.625 点と1.5 倍以上増えています。

畑間:

凄い。確かに去年と比べて得点数が増えているという実感はありましたが、データで見比べるということはしてなかったので、改めてデータで見ると驚きの数字です。

SHIBUYA CITY FC 好調の要因とは

大道:

今シーズンの強さのインパクトがデータを見ることで分かりました。ここで岩沼選手にお聞きしたいのですが、このような強さ、好調さの要因というのは選手の感覚としてどのようなところにあると思いますか?

岩沼:

攻守の切り替えというのは、去年と比べて選手全員が意識してやれているところだと思います。SHIBUYA CITY FC の場合、下がってディフェンスされることが多いと思うんですけど、ボールを取られた時にすぐ取り返すと、相手は前に出ようとしている時なので陣形も崩れていますし、相手のゴールの近いところで攻撃を始められるのでゴールチャンスの機会も増えるのかなと思います。

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大道:

なるほど、攻撃のための守備相手のゴールにより近いところで攻撃を始められるようになったところが好調さの要因になっているのではないかということですよね。では、攻守の切り替えがトラッキングデータとして反映していそうな指標、スプリント数とスプリント距離を去年と比較して見ていきましょう。

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畑間:

明かに増えていますね!これ面白いな、、

大道:

そうですね。スプリント数は約 7 回、スプリント距離は約 200m増えていますね。チームとして意識しているところが、しっかり数字にも表れていて結果にも繋がっているというのがデータから見えてきますね。次は、選手個人にフォーカスしてスプリント数とスプリント距離を見ていきましょう。

ポジションの変化がデータにも表れている

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大道:

FW の政森選手がどちらの指標でもトップで、数値は 2 倍以上になっています。CB の岩沼選手から見ても、政森選手は去年と比べてスプリント数や距離が上がったなという実感はありますか?

岩沼:

そうですね、攻撃時の裏への抜け出しは増えた実感はあります。また、攻撃から守備に変わる時に、まずは FW から圧迫するので、その点も数値が上がっている要因だと思います。FW が前から守備をすることで、相手のゴールにより近いところで攻撃を始められますし、ボールを奪えなくても相手にいい状態で蹴らせないことができるので得点数の増加、失点数の減少に繋がっていると思います。

畑間:

直近の試合でも凄いプレスかけてましたね。ボールを奪われて自分達のゴール前付近まで戻って守備をしていました。

土田選手はポジションが変わってるのでどういう変化があるのか気になりますね。

大道:

土田選手はどちらの指標でも 1.5 倍増加しています。去年はボランチで今年からサイドバックにコンバートしましたね。本田選手や植松選手は去年から引き続きボランチで数値的にも去年から変化はあまり見られませんが、総走行距離という観点で見ればこの両選手が 1 番走ります。

以上のことを踏まえると、ボランチは局所的に走るポジションというよりピッチ全体で守備時も攻撃時も顔を出していくポジションであり、サイドバックにコンバートした土田選手には別の役割が与えられているということが分かりますね。

選手個人のパフォーマンスレポートを AI に生成させてみる

大道:

ここまでトラッキングデータの分析を行ってきましたが、Morph のレポート機能を使って選手個人のトラッキングデータに対するレポートを作成していこうと思います。今回は、岩沼選手の 2023 年と 2024 年のトラッキングデータ(スプリント数、スプリント距離、インパクト数、トップスピード、1 分間の走行距離を参照)の比較レポートを AI に作成してもらいました。トラッキングデータを基にアドバイスを入れてもらうように指示を行っています。

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大道:

全体としてパフォーマンスが向上していると出ていますね。

畑間:

36 歳を迎えてもまだ向上しているんですね!凄すぎるな、、

岩沼:

今年は、スプリントの練習を多くやっているので、その成果が出ているのかもしれません。

こういうもの実は欲しかったです。今は 1 試合 1 試合カタパルトのデータは送られてはくるのですが、試合単位で送られてくるので比較が出来なく、、

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大道:

選手として見たいデータというのは、やはり過去の自分との比較ですよね。こういうトレーニングをしているから、あるいは、こういうところを意識しているから成果として過去と比較してどうなったかを見たいですよね。

スタッフの方にとっても、こういうレポートって有用だと思いますか?

畑間:

そうですね。チームのスタッフとして、今自分のチームの選手が今こういう状態というのは知りたい情報ではありますし、これを全て選手に公表するかどうかは置いておいて、チーム強化においてもかなり重要なものであると思いますね。

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選手の年齢を追加情報として与えてみると…

大道:

確かに活用方法は色々ありますよね。例えば、選手個人のレポートでは無く、試合ごとに今までの試合のトラッキングデータと比較したレポートを作成すれば、監督さんやコーチの方にとっても有用なものになると思います。

他にも今オフィシャルサイトで試合のサマリーを掲載していると思うのですが、データ目線でのレポートを AI に書いてもらって、人間が書いたものと AI が書いたもの 2 つ用意しても面白いかもしれませんね。

ちなみにこの Morph のレポートは、追加情報を入れてカスタムすることも可能です。先ほど出したレポートに追加情報として 36 歳という情報を入れてレポートを作成してみます。

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畑間:

凄い、ちゃんと年齢を考慮して負荷を減らしたトレーニングや怪我リスク軽減のためのトレーニングを提案してくれてますね!

大道:

かなり優秀ですよね!情報をたくさん与えることでより精度の高いレポートを作成してくれます。ChatGPT 一般で言っても、業務で使う際、一発で業務で使えるレベルのものを出してくれる訳ではないので、ブレストのために用いる場合って多いですよね。そのくらいの温度感で見てもらえれば非常に有用かなと思いますね。

以上のような新しい取り組みをこれからもどんどんやっていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします!

週末のホームゲームは見に行かせていただきます!頑張ってください!

本日はありがとうございました。

岩沼:

ありがとうございました。頑張ります!

畑間:

ありがとうございました!

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